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成人病治療用語

アンセリンという物質をご存知でしょうか。糖尿病や通風に効果があるとして、最近注目を集めている物質です。ではなぜ糖尿病や通風に効果があるのでしょうか。

元々この物質は、マグロやサバ、カツオなどに多く含まれており、複数のアミノ酸から構成されています。こういった魚は、長時間泳ぎ続けることでよく知られていますが、その持久力の源は、このアンセリンにあるといわれています。なぜかといえば、この物質は、運動や疲労によって作られる乳酸が、必要以上にできるのを抑える、いわば乳酸への代謝作用があるからなのです。
乳酸が、体内で過剰に作られて蓄積された場合、血液中の尿酸が増え、これが通風や糖尿病の原因となります。このような病気の治療にアンセリンを用いると、LDHと呼ばれる酵素の量が増え、尿酸の排出が促されるようになります。

また、アンセリンはHPRTという酵素の量を増やす働きもします。こちらの酵素は、尿酸を作るのを抑える作用がありますので、この2つの作用を用いて、糖尿病や通風の治療に役立てるわけです。またそれ以外にも、アンセリンの酵素LDHの働きは、ガンの治療にも役に立つと考えられており、この先様々な病気の治療で、ますます注目される物質となりそうです。