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臨床工学技士とは。仕事内容や向いている人の特徴、目指し方など

臨床工学技士とは、医療機器のメンテナンス業務を行う医療機器のエキスパートです。
彼らはチーム医療に欠かせない存在であり、医師と協力して患者さんの治療に貢献することができます。

この記事では、臨床工学技士の仕事内容や向いている人の特徴、目指し方について詳しく解説しています。
臨床工学技士の仕事や医療の仕事に興味のある方は、参考にしてみてください。

臨床工学士とは

自動車にトラブルなく乗るには日常的なメンテナンスが必要です。また、日常的にメンテナンスをしていても、車検で詳しく検査しますよね。機械というものは、メンテナンスがあってこそ初めてトラブルなく使えるものなのです。

医療分野においても、機械は多く使われています。生命維持装置をはじめ、ペースメーカーなど生命維持には欠かせない機械は数多くあり、これを日常的にメンテナンスしているのが医療機器のスペシャリスト「臨床工学技士」という職業になります。

実際のところは、多くの最新医療機器によって臨床現場は支えられています。いかに医師の判断が適切でもこれらの機器が正確に機能しなければ臨床現場における安全を確保することは困難なのです。また、一方で医療が高度になるということはそれだけ医療機器も高度になるということです。臨床工学技士は、チーム医療には欠かせない存在なのです。

担当する仕事の内容とは

さきほど、機械のメンテナンスなどの作業を臨床工学技士が行うとお伝えしました。
では実際に、詳しい業務内容はどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、仕事内容の詳しい詳細についてお伝えします。

医療機器メンテナンス

臨床工学技士は、医療機器のメンテナンスを担当し、機器が正常に機能するようにするのが仕事です。この作業には、定期的な点検や清掃、消耗品の交換などが含まれます。
また、故障が発生した場合は、機器が正常に稼働するよう修理や部品交換を行います。

医療機器の運用管理

医療機器の運用管理を行い、医療現場での安全を確保することも仕事の内です。この作業には、機器の使用方法や注意事項の周知、適切な使用環境の確保などが含まれます。
また、医療従事者からのフィードバックを受け取り、運用方法の改善や現場に新しい機器の導入することなども行います。

医療機器の運用管理

医療機器の使用方法やメンテナンス方法について、医師や看護師などの医療従事者に教育・研修を行うことも臨床工学技士の仕事です。これには、新しい機器の導入時や定期的な研修などが含まれます。
また、医療従事者からの質問や相談に対応し、適切な使用方法や注意事項を伝えることも求められます。

向いている人の特長とは

医療現場を支える上で重要な存在である医療工学技士ですが、どのような人が向いているのでしょうか。

医療と機械に興味がある人

医療機器のメンテナンスを担当する上で、機械に関する知識や技術が必要となります。そのため、医療分野と機械の双方に興味がある人は、臨床工学士に向いています。
また、チーム医療に欠かせない存在であるため、コミュニケーション能力や協調性も重要です。

医療業界に貢献したい人

臨床工学技士は、医師とは違う形で医療現場に関われる職業です。裏方要素が強いものの、医師と協力して患者さんの治療に貢献できます。そのため、医療現場での貢献を望む人にとっては、非常にやりがいのある仕事です。

将来の選択肢の幅を広げたい人

医療分野に興味があって、機械も好きという人には向いている職業といえますが、実は将来性のある職種でもあったりもします。臨床工学技士という仕事は、歴史がまだ浅く、これからできるだろう分も含め、たくさんの重要ポストが空いています。就職先も病院に限らず、医療メーカー・教育機関などにもあります。このように、いずれは研究者や教育者になりたいと望む人にも門戸は開かれていると言ってもいいでしょう。

臨床工学技士になる方法とは

臨床工学技士になる方法ですが、高校卒業後に特定の学校を卒業し、臨床工学技士国家試験の受験資格を得る必要があります。この辺りは一般的な医療従事者の流れと同じです。また、学校も3年生の専門学校、4年生の大学が基本になります。特殊なルートとして、首都医校(専門学校)の臨床工学技士特科のように1年で国家試験受験資格を手にするルートもあります。ただし、臨床工学技士専攻課程への入学にはいくつか条件があり、30代以上の工科大学出身者や医療系学校の出身者が多いようです。その条件とは「理学療法士」「作業療法士」「看護師」「臨床検査技師」といった医療系の国家資格を既に取得している、もしくはこれらのコースを設置する医学系の専門校を卒業していることです。また、大学の医学・医療系以外の学部を卒業した人の場合、大学・短大等において2年以上修業し、指定科目を履修しているという条件が課されます。指定科目は放送大学などで履修することが可能ですが、やはり医療系出身者に比べると大変なようです。

医療現場に置いて需要な役割を担っている臨床工学士

今回は、臨床工学技士の仕事内容や向いている人の特長、目指し方についてお伝えしました。
裏方要素は強いものの、医師とは違う形で医療現場に関われるちょっと変わった職業が臨床工学技士というお仕事になります。

また、医療の国家資格と機械の知識の両方を持つ必要があり、とても難易度の高い職種な上に歴史が浅いため、将来的に上の立場を目指せる職業です。
医療の分野で活躍したいと考えている方は、ぜひこの記事を参考に臨床工学技士を目指すきっかけにしてみてください。

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