医療用語健康辞典cancer-glossary

放射線治療とは

がんの治療方法には、様々なものがあります。
一番の基本は、外科手術により、ガン(悪性腫瘍)を取り除いてしまうことです。腫瘍を手術で全て取りきることができれば、完治も期待できます。
しかし、手術は、臓器の一部を切り取るものであり、患者さんの体に負担がかかります。また、手術で全ての腫瘍を取り去ることができるとは限らず、一部の腫瘍を残さざるをえない場合もあります。

放射線治療は、ガン細胞に放射線を照射する治療法であり、上記のようなケースに有効です。
放射線は、細胞が分裂して増殖する際に必要な遺伝子に作用して、細胞の増殖を抑え、また、死滅させる働きがあります。
ガン細胞は、遺伝子に異常が生じて無限に増殖する性質を有しますが、放射線をガン細胞に照射することによって、ガン細胞の無限増殖を抑制し、腫瘍を縮小化することが可能です。
また、手術とは違って、外部から患部に対して放射線を照射するだけであるので、患者さんの体に与える負担は、手術と比べると格段に小さいです。
ただし、放射線は、ガン細胞の周囲にある正常な細胞にも照射されてしまうことから、正常な細胞がダメージを受けることによる副作用が生じることがあります。副作用は、放射線の照射部位や強度にもよりますが、吐き気や下痢、倦怠感(体のだるさ)などを訴える場合が多いです。

欧米のがん治療では放射線治療がメジャーです。最近は日本でも放射線治療が選択されるようになりました。
手術よりも負担が少ないので体力のない患者でも治療ができ、部位やステージを選ばないので、がん検診とともに広く浸透してほしいものです。
ただし、放射線治療にも名医というものがありますので、いいお医者様を見つけて下さいね。